練りに練った、とまでは言えないが、けっこう時間をかけて作成した花台の図面。
「なかなか本格的やねェ」
と感想を漏らす息子に、私はニンマリと笑う。
しかし、計画は往々にして変更される。
それも突然に。
ベランダへ出て、今使っている花台をしげしげと見た私は言った。
「やっぱりコレ使うワ」
補強して何とか・・・・・。
それまで2時間近く、各部の説明・材料の選択・カットの方法など検討を重ねていただけに、ちょっと驚いたが彼は
「まあ、捨てるのも大変やし、お金かかるし、そのほうがいいかも・・・」
と言ってくれた。
これで1台は解決。
私がヘナチョコながら、それも家に在った板を使って作ったものが1台、あと2台制作する。
解決した1台は補強しなければならない。
さすが男子、私には思いもつかない方法で「こんな風にしたい」との要望を解決してゆく。
けれども残念なことに、夕方5時が迫っている。
わが家は善良な住人であるからして、作業音を立ててもよい時間をキチンと守る。
「これだけはしておくワ」
と言ってくれたので、乗せているハチを移動し、花台を動かせてその辺りを掃除することに。
やはり、こういうことになっていたか。
ベランダ床は、板を敷き詰めている。
その上に花台を乗せ、水やりをすれば当然こうなる。
2箇所、板が腐り、穴が空いていた。
ワラジムシとナメクジがいた。
花が食害にあっているのは彼らの仕業だろう。
綺麗に掃除・駆除し、花台の補強(一部分)をしてもらった。
仕事の休みの日、それも他の予定がない日に来てくれるのだから、次はいつとは決められない。
連絡するから、と息子は帰った。
道具を片付け、掃除機もちゃんとかけて。
彼の仕事ぶり、私達への対応を見ていたら、日頃の生活が想像できる。
じんわりと安心感を覚え、満足した。
(玉麗)