フランス人のマチルダさんと娘が英語で会話している。
時々通じない言葉があるらしく言い換えたり、ケータイ通訳に頼ったり。
それでもちゃんと意思疎通が可能で、マチルダさんは楽しそうに笑いながら絵筆を動かせている。
1回きりの体験と思っていたのにとても気に入ってくれたようで、2回目は桜を描いて全員に褒めてもらって、また来ますと言っていた。
彼女はカリグラフィーの勉強をすることと、観光を兼ねて日本にやって来た。
7月頃まで滞在するらしいので、時間をみつけて通ってくれるかもしれない。
日本語を習ってから来日したのではないようだが、日々の生活の中で吸収しているのだろう。
絵も上手い。
娘の教えることを、素直に速やかに実行に移してくれるので、習得が早い。
メキメキ上手くなるとはこのことかもしれない。
フランスへ帰国しても描きたいと言ってくれたそうだ。
昔と違って現代はインターネットで繋がっている。
ブルターニュという港町で住んでいると話していた。
玉麗流水墨画が、フランスの街で描かれていることを想像する。
何とも楽しいことではないか。
会員のKさんは、中旬にフランスへ行くと言っていた。
彼の狂言の師匠の息子さんが、フランス留学されている縁で、その流派があちらで公演の運びとなったようだ。
英語で狂言を行うと聞いて驚いた。
インターネットだけでなく、コロナで途絶えていた国際交流が再び活発になり、人々の行き来が盛んになってゆく。
マチルダさんは、YouTubeの水墨画ライブを見てくれたとのこと。
日本文化に興味を抱く人達がまた、大勢やって来るようになるだろう。
この道ひと筋を歩んで来て、これが私達の描いている絵です、と発信できることの幸せ。
自分達が気づかないことを、遠い異国からやって来た女性が教えてくれた。
(玉麗)