電話が鳴った。
表示を見ると同級生Aさん。
エ?夕方になんかかかってきたことないのに、大阪に来てるの?
と思いながら出ると、『ア、玲子?今な、クラス会してるとこ。画像送るから、Tちゃんと替わるよ』
クラス会の話なんゾ聞いてはおらん、一体どこで?と思った途端、Tちゃんの声。
彼は、『LINEで動画を送るから雪ちゃんと替わって』と言う。
ハナから私では無理なので、ということらしい。
ま、そうですけどね。
そのユキチャンは、今日外出してアイフォンの電力がひたすらゼロに近い。
ああだこうだと聞き取りにくいやり取りをして、結局動画はおろか静止画像も1枚しか見られなかった。
そうこうしているうちに電話はプツンと切れてしまった。
えーいっ 一体何ナンダよっ。
こちらからかけ直して1分もたたない間に、『自己紹介始まったからあとで』とプチン。
エッ エッ 何なの?
ひとことしか喋ってないよ。
あとで、と言ったけどもうかかってはこなかった。
ずっと昔、子供が2人遊んでいる場面が目に浮かぶ。
女の子はソフトクリームを持っていて、隣にいる男の子に一口舐めさせてあげた。
うわっおいし、と思った男の子はもうちょっと欲しい、いつくれるかナアと待っている。
あげよか?とか何とか言いながら、女の子はもう1回男の子にソフトクリームを食べさせたが、以後待っても待っても、もう2度とあげるとは言ってくれなかった。
・・・みたいな。
待ちぼうけと言うんだろうか。
翌日、私は件のTちゃんに電話をかけた。
Tちゃんは愛想良く相手をしてくれた。
ええいっ 一体何ナンダよ、とフンガイ(?)していた私はすっかり気を良くして、自分クラス会に行った気分になり心おきなく電話を終えることができた。
みんな元気で何より。
いっちょかみさせてくれたAさん、ありがとう。
Tちゃん、ありがとう。
(玉麗)