小さなバッグ

クローゼットを整理してから、捜し物が多くなった。

どこに入れたかパッと思い出せない。あちこちの衣装ケースを開けてやっと見つける。

最近バッグを持たなくなった。

ひと昔前は、着る服によってバッグを替えていた。

たくさんあるのにお店で気に入ったのがあると、つい買ってしまう習慣がついぞなくなった。

バッグも整理して、欲しい人に譲った。

着る服がカジュアルになったせいで、バッグではなく手提げ袋、あるいはキャリーで外出する。

捜し物をしていたら、小さなバッグが出てきた。千里でUさんとウロウロしていた時に見つけたもの。

小さな財布と小さなハンカチ、ティッシュしか入らない。パーティ用なのだろう。

持っているだけで嬉しいもののひとつとして購入したのだと思う。さんざん迷った末に手に入れたものなので、大切に置いてあったものだ。

このバッグを買ったお店はもうない。

千里セルシーは古くなったからか、どんどんお店が撤退して、すっかり空家になってしまった。あちこちに、覗いて楽しいお店があったのに・・・と残念がっている。

千里のことなら何でも知っているUさんも、建て替えるかどうかはわからない、と言う。

ちょっと前まで普通だったことがすっかり様変わりして、多くの人達の生活そのものが変化している昨今、今までのような形態のお店では運営が難しいのであろう。

けれども私達の世代にとっては、デパートやセレクトショップは今でもワクワクするものがある。

ユニクロや無印良品などでも買い物はするが、実用のものばかり。
ずーっと身近に置いておきたいものは、その中にはない。

私達の年代があと何年元気でいられるかによって、世の中の動きが変化すると思うのは、私1人ではないだろう。

(玉麗)

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