チィチィが聞こえない

メジロが来なくなった。

もう山へ帰ったのか、いやそうではない。

桜だ、近所の桜も満開だ。

彼らはあの花の蜜(でも、あるのかナア)が気になって、この辺りに来なくなったのだ。
あってもほんの少しだろうけれど、とにかく花はいっぱいある。
ひょっとしたら小さな虫も見つかるかもしれない。

それでみんなしてあっちへ方へ、まさにメジロ押し。
桜が終わったらそのまま山へ行ってしまうのだろうか。
ちょっと淋しい気がする。

うっかりレーズンを冷蔵庫へ入れて忘れていた。
干からびている。

いやもともと干したものではある。
が、水分がもう全くと言ってよいほどない。

どうしたものかと考えていたら、目の前にブランデーの小瓶、そうだ、これに漬けてみよう。

翌日、アラ美味しいネ。

これを使ってお菓子を作れば、満点なのだろうが、それはちょっと手が出ない。
蒸しパンぐらいなら作ってもいいかと思うものの、作ったら食べる。
食べすぎる。

それでわが家では、お菓子作りに手を出さないようにしているのだ。

そうだ、赤い椿の花を作って、サザンカにくっつけておいたらどうだろう。
桜が終わったら椿の方へも来るかもしれない。

ミカンと蜜水を置いてあるが、もうサザンカは散ってしまってメジロの目印になるものがない。

ついさっき1羽飛んできたが、アラレアに止まっただけで、サザンカには見向きもしないで行ってしまった。
ちょっとーーという感じだ。

早朝からチィチィ、チィチィと可愛い声で鳴いていたのに、シーンとしている。
外鳥やもんね。
ペットのようにはいかないワ。

(玉麗)

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