気分転換の最高峰は旅行だと思う。
今いるところから離れて遠くへ、いや近くでも良い。
とにかく違う土地へ行く、これだけで日常は消え去り気分は一気に昂揚する。
私も以前はよく旅行していた。
いたと過去形になってしまったのは、目まいを起こすようになってピタッと行かなくなったからだ。
旅先であのような苦しい思いは絶対にしたくない。
今は旅行気分をほんのちょっぴり味わうために、デパートへ行く。
旅行には行った先々での買い物も含まれる。
せめてその部分だけでも味わいたくて出かけて行く。
しかしながら、最近のデパートにはワクワク感が不足している。
欲しいと思うものが少なくなった。
その代わりしょっちゅう行かないちょっと高めの店でも、バーゲンの時は必ず来てくれる客になる。
旅先での一見の客とは違う扱いを受けるのは、気分の良いものだ。
先日も特別な割引があったので出かけて行って、運よく気に入ったものを見つけて手に入れた。
「実は15日以後でないとダメなんですけど、澁谷さんだからあげちゃいます!」
と言って靴下をプレゼントしてくれた。
靴下といっても1足2,500円以上する、この店では!
いいのかなと言いながら、有難く頂いて帰った。
他愛のないことと言えばそれまでだが、気分はその、「ほんの少しのこと」で上下するものだ。
もちろん絵を描くことは、特別な気分アップに繋がる。
完成時の高揚感は、何を持ってしても味わうことのできない喜びに満ちて、しばらくは幸せな気分で過ごすことができる。
文章を書くことも然りで、いずれも創造することに依る心の活性化が、そうさせるのだと思っている。
(玉麗)