正式名は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言う、盆に帰省する人は、コロナ前の6割ぐらいとのこと。

帰省という言葉が、新聞の活字で見るだけになってしまったわが家では、故郷はますます遠のいて行く。

暦の上では7月23日から8月6日までが大暑、今はもう「秋立ちぬ」なのだ。
秋なんぞどこに?と毎年思う。

けれども、涼風とは言い難いものの今夜は風が吹いている。
季節の歯車はまちがいなく回った。
ミシリと音を立てた時生じたわずかなすきまに、風が通ったのだ。

お月さまがまあるくなって、ポッカリ夜空に浮かんでいる。
ベランダからは気の早い虫の音が聞こえる。

今年はカネタタキが先頭を切ったのか、リ・リ・リ・リとまだ音は小さいが、あちこちから聞こえてくる。

この音の主がどの虫なのか、名前を知り、たまたま姿を見る機会に恵まれて、親近感が深まった。
向こうはただ音を出しているだけだが、近づいてもずっと鳴いてくれたりしたら、私に話しかけてくれているような気分になる。

昼間はセミの声で賑やかすぎるが、夜になれば秋を呼び寄せるように虫達が羽根を震わせる。

仏壇に生花を供え、あと少し、あとちょっと・・・と、暑さに耐える呪文を唱えている。

(玉麗)

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