わが家の同居人(?)が増えた。
人ではない。1ミリほどの生きもの、アゲハの幼虫だ。
ちょっと前に日向柑の木を手に入れた。アゲハが来るだろうナとは思っていたが、1週間ほど前、やはりやって来た。
飛来したあと娘が見に行くと、卵が5個ほどくっついていた。
しかしたぶんその時は、よく数えていなかったのかもしれない。というよりこの木はちっとも新芽が出なくて先年の葉しかないから、産卵する場所を迷ったアゲハは、葉だけでなくわかりにくい小枝の部分にも産みつけた。
卵は急に暖かくなった日、幼虫になった。その数なんと13匹。
新芽の出たカンキツを求めて神社や公園へ走った娘は、3枚ほど葉のついた枝を持ち帰った。
エーッ それだけ!?と思うのはアゲハについての知識のない人だ。(ほとんどの人がないけれど)
13匹もいるといっても、彼らの食べる量は1匹が1日1ミリ角ぐらい。
けれども、拡大鏡で見なければゴミかと間違える大きさの黒虫が、1日経てば私の目でも見えるようになる。
食べれば大きくなる。大きくなれば葉が要る。忙しいことになる。
カンキツは切り取った枝を水につけ、ビニールでカバーをして冷蔵庫に保管することが可能だ。
ただ、生まれたばかりの幼虫はやわらかい新芽の部分しか食べられない。
新芽はすぐにフニャとなって、保管不可能。
娘は食草確保に苦労する。それでも彼女は、あの小さな生きものの一匹たりとも見放したりはしないだろう。
(玉麗)