アフリカンプリンス

アフリカンプリンスという名の観葉植物はとても順応性が良い。

最初娘の部屋に居た。
彼女が部屋にグリーンが欲しいと言うので手に入れた、ゴムの木に似た植物である。

窓ガラス越しによく陽が当たり、環境が合ったのかどんどん大きくなり、立派な葉を繁らせた。

3年目でその辺りいっぱいになりどうしようもなくなって、一時リビングに置いたがそれもダメで、とうとうベランダへ出してしまった。

南国のものだからさすがに冬の寒さがこたえたらしく、葉が茶色くなってポロッと落ちる。

もうアカンかもと思っていた。
ところが春になると、新芽が苞に包まれて力強く現れた。
古い葉は全部枯れ落ち、新しい葉が以前より大きくなった。
蘇ったのだ。

そしてさらに2年経った。
新芽が出る前にほとんどの葉が落ちた。

今度こそダメだろうと、一番高く伸びている枝を切った。
何となく捨て切れず、その枝を水の入った器に挿しておいたら、出たのだ、新芽が!

本体からも、小さいながらも葉が出始めた。
先を切った枝は、あちこちから新芽らしきものがニョキニョキ・・・

スゴイね、キミ。
アフリカの王子は逞しい。

夏の陽射しがベランダを支配しようと降り注ぐ夏、アフリカンプリンスは大きな葉で陽射しを遮ってくれる。
炎帝の思い通りにはさせない、と大きく葉を広げ、力強く伸びて行く姿が胸に迫る。

命を代償に国を守っているウクライナの人々を、思わずにはいられない日々が続いている。

(玉麗)

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