カエル保育園

カエル保育園は午後1時から始まります。

わんぱく3兄弟がやってきました。

長男ジャンゴは堂々たる体躯でのっしのっしと歩いているのに、次男のマルコ、3男のスリムは園内に入っても動きません。

園の敷地は2.5メートル×1.5メートル、3兄弟にとっては充分に広い所です。

人間の保母さんが2人いて、3兄弟にリボンをつけてくれました。

フロアの色が彼らとそっくりなので、よく目立つように黄・オレンジ・白・青などの模様付きリボンです。

「アーッ やっちゃった」
と年配の保母さんの声。

マルコが早速おもらしです。

若手の保母さんはiphoneを片手にジャンの後をついて歩きます。

スリムはカーテンの陰に隠れてじっとしています。

マルコが急に歩き出しました。

速い 速い。

そこはベランダを利用した保育園なので、ラティスがあり、マルコはそれによじ登りました。

ボルダリングの要領で50センチほど上って、台の上に足をかけています。

反対側から見ると、必死なんだけど、おちょぼ口マルコは笑っているように見えるので、保母さん2人は大笑い。

その間にもジャンはあっちへ行ったり、こっちへ戻ったり、ちっともじっとしていません。

ア、スリムがピョン、サササササッ、早足で隠れる場所を変えようとしています。

あーーー そっちへ行ったら出て来れないよーーッ。

3兄弟がてんでバラバラに動くので、2人の保母さんはすっかり疲れてしまいました。

「今日は終了」

開園して1時間も経たないのに
「皆さん さようなら」

また明日ネではなくて「またいつかネ」と。

定員は3名のみ、極小規模保育園なのでした。

(玉麗)

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