夕方の忍び足

夕闇がせまる頃、私は夕食の下準備を終え
何となくソワソワする。

特別の来客があるという訳でもない。
いや、私にとってはソワソワするほど
特別なことだ。

 

ベランダか?

ひょっとしてアトリエまで
すでに来ているのかも!

 

そんなことで1人おかしがっていると、

ア、鳴き出した。

 

リ・リ・リ
リ・リ・リ

今日はひときわ澄んだ声で私を誘う。

でも、スリッパを抜いて足音を忍ばせて
そうっとアトリエの入口まで行くと・・・・
ピタッと声がしなくなる。

またリビングに戻り、何くわぬ顔で
ブログなどを書いていると、

リ・リ・リ

さっきよりもさらに
抜き足差し足忍び足で近付く。

オッ 今度はうまくいくか?

ところがアトリエの中ほどまで行ったところで
ピタッ。

アーーッ もう!!

やはり室内にいるように思うんだけど・・・

カネタタキの姿は何度か見ている。
この手でつかまえたこともある。

すでに正体がわかっているので、
昨年ほどジリジリはしないが、
それでもどこにいるのかぐらいは
確認しておきたい。

アレマ、ちっとも鳴かなくなっちゃったョ。

私の様子を空高くから見下ろして、
風太が笑っているだろう。
いや、アイツは笑わないヤツだった。

(玉麗)

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