朝ベランダ側から首を出してみる。
ア、まだ涼しい。
ほっとしながら、玄関扉を大きくあけ網戸に。
次々と解放するとヒンヤリした空気が流れ込んでくる。
この一瞬が好きだ。
「梅雨明け10日」というらしいが、私が今まで経験してきた梅雨明けは、空こそカーンと澄み渡っているものの、2日もすればへーへー舌を出しそうな暑さであったとの記憶が強い。
今年は各地で大雨が降った。
大地は充分すぎるほどの水分を溜め込んだはずだ。
被害も甚大であった。
せめてもの償いか、朝夕の清々しさが、数日後の日照りの過酷さをしばし忘れさせてくれる。
けれども日中になると、気温は容赦無く36度を越えようとする。
先日花壇の花植え替えをした。
土を掘り起こすと、表面は乾いていても10センチ下は湿っている。
これがカラカラになってくるのだ。
土中深く潜っているミミズでさえ、渇きを覚えて夜露を飲もうとするのか。
時々炎天下でカラカラになっているのを見ると、うっかり潜り損ねたかと、群がるアリを疎ましく思う。
ダンゴムシはけっこう知能があるらしく、散水ホースのポトポト落ちる水の辺りにコロニーを作っている。
彼らがセミの亡骸にくっついても、アリほど毛嫌いはしない。
攻撃的でないからだろう。
アリに刺されると、ウラミツラミで1週間過ごすことになる。
悪寒さえ覚える。
この爽やかな朝は、たぶん明日はやって来ない。
夏の真っ只中にさしかかっている。
(玉麗)