台風去る

源氏物語で野分(台風)のあと、
姫君達の住居へ見舞いに行く段があった。

あったとは覚えているが、詳細はとんと・・・。

台風のさなか2本電話があった。

「家がギシギシ鳴ってるけど、そっちは大丈夫?」
「大丈夫だけど、あーーっ!メダカが!!」

風の合間を縫って、メダカの水槽を
下におろしておいた。
(いつもは少し高い所に載せている)

プラスチックのボードが飛ばないように
水槽を載せておいたら、
瞬間風速40?メートルがやってきて、
ピタッと床にへばりついているボードを
吹き上げた。

その勢いは15リットルほどの
水槽では押さえ切れず、
メダカが入った水槽が浮いた!!

娘が私の声を聞いてスッ飛んできた。
扉を開けるやいなや水槽を持ち上げ
部屋の中へ。

私は、メダカが!!と叫んだとたん
電話を切って娘の補助。

かくしてメダカ8匹は
水槽からハネ出されることなく
保護された。

台風の準備はいつも通り行なっていた。
しかしいつも通りでは
今回において万全ではなかったのだ。

嵐のあとの片付けをしていると、
「カネタタキつかまえた!」
とアトリエから私を呼ぶ。

ひょっとして、もう3週間ぐらい前に
どこかから入ってきてそこで
鳴いていた子か?

だとしたら、かわいそうに
おなかをすかしているだろう。

臨時のケージを作り、
ぶどうとメダカのエサを入れて
様子を見ている。

充分食べさせてから、
外に放してやることにしよう。

(玉麗)

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