ミカンが届いた。
「不知火(しらぬい)」という名の、たぶんデコポンの一種。
送り主は幼馴染の同級生M君。
彼が家を新築した折、掛軸が欲しいと言うのでお祝いに送った。
M君には色々お世話になった。
娘は彼の家で泊めてもらったこともある。
彼の息子がわが家にやって来たことも。
家族ぐるみのお付き合いだったが、お互い年を重ね、最近は年賀状のやりとりぐらいになっていた。
知人のミカン農園を訪れた際、ふと私のことを思い出して送ってくれたらしい。
美味しかった。
私の、ミカン歴史上最も高い位置に堂々入ったのだ。
第1位と言いたいが、それはわが家のベランダで実った唯一のミカン「紅甘夏」が位置を占めている。
それゆえ2番にしておこう。
とにかく大きい。
ポテッと400gもある。
見事な出ベソがついている。
甘さを酸味がほどよく、私は3房で満足した。
1個のミカンを4回に分けて食べると言えば、“ナント小食な”と言われそうだが、この「不知火」はそれ程大きかったのだ。
たぶん冷暗貯蔵庫で大切に追熟され、出荷の時を迎えたのだろう。
このままマンションの暖かい部屋においてはいけないと判断した私は、冷蔵庫、陽の当たらない外、常温のなるべく寒い室内と、3ツに分けて置いた。
美味しいものはできるだけ早く、美味しいうちに頂くのが正しい。
とはいえ、すぐに消化できるものでもない。
M君、味わって頂きますよ。
このミカンのおかげでボーッとしていた私の体がシャキッとなりそうです。
ありがとう。
(玉麗)