取捨選択

ストレスのない生活が憧れであるが、都会の集合住宅に住む者にとってそれは、永遠に訪れない「真の憧れ」と言える。

先日同じマンションの知人に会ったら、もうすぐ引越しますと言う。

子供のいない80代の夫婦の選択は、便利で快適な老人ホームへの移住。

食事を作らなくて良い、医療も整っている、外出自由、梅田へも乗りかえナシの、静かな環境の場所がとても気に入り決心したと言う。

それでも1ツだけ、3年早く決めていれば、引越しの煩わさに耐えられたのに・・・とのこと。

今はヘトヘトになりながら、運ぶ荷物の取捨選択に頭を悩ませていると言っておられた。

近頃老人ホームの話をよく耳にするようになった。

夫に先立たれた小唄の先生が、息子が決めてくれたホームへ移ったらいじめにあった。
とてもここでは住めないと、息子を説き伏せ別のホームへ移ったら、そこでは小粋なスターになって、週一で外部に教えに出かける程元気になったと言う。

ちょっとでも目立つ人は、どこへ行ってもそのように明暗が分かれる。

その点、夫婦で入所すればいいよナアと思う。
知人は仲の良い夫婦なので安心だ。

音のストレス、ゴミ等美観・街生の問題、隣近所と性格が合う合わない、数えればいくらでもある。

家の中で静かに暮していれば防げる事もあるが、音に至って逃れようがない。

都会は便利さと引き換えにストレス満ち溢れている。

こんな中で今までよう生きてきたナアと思うこともあるが、ではどこへ行くかとなるとこれまた大変なストレスと共に、あらゆるものを取捨選択するシーンにぶつかる。

うーーん、人生は苦難に満ちている。

(玉麗)

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