玉麗先生から、「神社の話はあれで終わり?続きないの?」と問われ、終わりですと答えたのですが「下山のあと無事に帰った話が欲しい」とリクエストいただきました。
3話も続いたのでそろそろみな飽きるのでは?と思い、登頂成功の部分で終わったのですが、リクエストにお答えして最後の4話めです。
======「下山編」=======
さて、山は「下りる方も大変なのだ」と聞きます。
登りきり水をごくごく飲んで、しばし呆然と立ち尽くしていた私ですが、山の上のひんやりした空気にさらされ、すぐに寒さを感じ始めました。
これはやばいと、腰に巻いていたコートを再び羽織り、エコバッグはリュック掛けにし、汗でぬれた髪のまま山を下り始めました。
登りの時の心臓への負担はありませんが、下りには足の筋肉を使います。
私の足の筋肉といったらボロぞうきんのような状態で、ほぼ気力で下りるしかありません。
20歳の頃、「栂池(つがいけ)」と「八方(はっぽう)」というスキー場でバイトをした経験があります。
どちらもすごい人気の白馬の山で、栂池には「馬の背」というコブコブの上級者向けのコースがありました。
スキーの上手い人は、山をまっすぐに下ります。
どんな急斜面でも、コブを巧みによけ、柔軟に体を動かして、まっすぐ下りるのです。
ひえーかっこいいなあと思いつつ、私はなるべく板を斜めにしてスピードを緩めて下りていました。
三輪山の狭い山道は、そんな青春のスキー場を思い出させました。
ここでも私は、スピードをゆるめ足の筋肉痛を緩和させるため、斜めに斜めに下っていきました。
下りのメリットは心臓の負担がないぶん、ゆっくり周りの景色を見れることでした。
息も絶え絶えの登りの時は見えていなかった、巨木たち。
まっすぐに空に向かう杉の木はとても神々しくて、さらにとても静かなのです。
時折、鳥の鳴き声を聞く程度で、シーーンとした静寂につつまれています。
滑らないように・・・登りの時のようにガシッと足を踏ん張ることができないので、ゆっくり足を踏みしめながら。
ジョギング姿のような薄着で軽快に下りていく方もいます。
ようやく、スタート地点の場所に戻ってきました。
下りに要した時間はおよそ50分ほど。
襷(たすき)と入山証明書をお返しして、ほっとします。
三輪山に向かって、「私を受け入れてくださってありがとうございます」と心の中でお礼を言いました。
私の足はガクガク、一度汗でびっしょりぬれた後頭部はクセ毛が発動しボワボワで、最もおしゃれから遠いビジュアルですが、これでいいのだという充足感に満ち溢れていました。

展望台があったので、ギクシャクした歩き方でなんとか登ります。
桜の木がたくさんあったので、春はきれいなんだろうな。



足元をみると、ぬかるみの中を歩いたせいで、靴がドロまみれでした。
本当によく登ったなあ。
時刻は14時ごろ。
ヘロヘロの足で三輪駅を目指しますが、おなかが空いています。
三輪といえば・・・・

神社の入り口あたりから駅までの間に、そうめんのお店がいくつかあってどこも並んでいましたので、駅近くのカフェに入りました。
やはり旅に出たら土地のものを頂かないと!
カフェには、親切に電車の時刻表が貼られています。
電車の時刻をチェックしてお店を出ました。
私の前には、女の人が2人。
ふと足元に目をやると・・・ドロドロです。
ふっと心が和みます。
同志でした。
さて、帰りの電車。
この時間を逃すとまた数十分待たねばなりません。
間違いなくやってきた2両の電車に乗り込み、次の桜井駅で下車。
桜井駅からはまた急行で大阪までひとっ飛びです。
私はグウグウと寝てしまいました。
無事、帰宅した私はさりげなく「今日、大神神社へ行ってきてん」と玉麗先生に伝えました。
え!そうなん!という玉麗先生も、実は登山経験があるのです。
あれは一体いつだったっけ・・・・と昔のブログを探すとありました。
よかったら奮闘記をどうぞ。(玉麗日記時代のものです)
↓
おわり
(雪)

