私がダウンしている間も地球は回り続けている。
季節は決して止まることはなく、ベランダの日向柑の花が明日にも咲きそうなくらい膨らんできた。
動いているのは植物だけではない。
虫達も陽気に誘われて活動が活発になってきた。
産卵の季節なのだ。
アゲハはまだやってきた様子がないが、アブラムシが新芽にかたまってくっついていた。
その横には葉を上手に巻いて、中でサナギになろうとしている虫がいた。
両者とも情をかける訳にはいかない。
ゴメンネ。
花が開いて受粉し結実するまでは、網をかけたくない。
アゲハの到来が1日でも遅いことを祈るばかり。
2ツなっていた黄色い実が落ちてしまった。
1ツは少し前に、残りの1ツはついさっき。
木を動かせた衝撃で、ポロッ。
娘が「〜〜〜〜〜〜〜!」と叫んだ。
なんと言ったのか、不明である。
ショックの大きさが伝わってくる声であったことは確かである。
とにかく大切に育てている。
私がそうしていることを娘は知っているので、実の落下は天下泰平を揺るがす一大事であったのだ。
世話をしている当の本人は、さっさと部屋に持ち帰りすぐ皮をむいて食べたという、笑えないオチがついている。
1ツ目はちょっとスッパかったが、2ツ目は美味しかった。
これって「樹上完熟」っていうのじゃなかったか?
(玉麗)