キルギスってどの辺に在る国なのだろう。
地球儀を出して見てみる。
カザフスタン
ウズベキスタン
トルクメニスタン
タジキスタン
アフガニスタン
パキスタン
スタンと名の付く国々に囲まれるように位置する。
中国とも山脈を隔てて隣接している。
草原の国らしい。
その国を馬(セキル)・羊(アカシュ・サナ)・犬(シロ)と旅した日本人 春間豪太郎(GO 30歳)の著作を読んだ。
2020年に発刊、私が読んだのは2021年の2刷目。
冒険の旅とあるが、物語ではなくノンフィクションなので、全編ハラハラドキドキするほどの事は書かれていない。
それでも、動物を連れて移動することにGOは意義を見つけているようで、思い通りにならない彼らと悪戦苦闘する様子は可笑しみを誘う。
キルギスでは犬をペットとして飼う習慣がなく、羊は食料として扱われる。
馬も役に立たなければすぐに売ってしまう。
そんな中で、彼らに愛情を注ぎ、苦楽を共にした旅の後も引き受け手を探して奔走、さらに2年後にはもう1度様子を見にキルギスへ渡航している。
帰国する時悲しそうに鳴いたシロは、優しい夫婦に引き取られていたものの、もう居なかった。
キルギスでは環境が厳しいので、犬の寿命は長くて5年らしい。
でもシロは、子犬を生み育て、その犬がまた子を産んだ。
シロとそっくりのメス犬が走り回るのを見て、喜ぶGOの姿が想像出来る。
シロは野良犬で、オオカミのエサになるところをGOが助けた。
雪山ではGOが凍傷になるのを助けてくれた。
アカシュとサナをうまく誘導することも、牛の誘引も出来たシロ。
犬はいつの時代も、どんな場所でも、人と助け合うことを拒まない。
人は強くなくては生きていけない。
優しくなくては生きる価値がない。
物語の世界ではあるが、高倉健をふと思い出した。
(玉麗)
*「〜スタン」の国名について・・・
現在、国名の末尾にスタンが付く国は、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタンであり6カ国あります。
これらは、中央アジアに位置しており、かつてペルシア帝国の支配を受けた地域の国々です。
「スタン」の意味はペルシア語で「土地」という意味です。
(例:カザフスタン=カザフ人の土地)