いつの頃からか病の床につくと、快癒直前に、夢とも現実とも言い切れない境目のあたりで、絵図が瞼の奥に現れる。
それは毎回違っていて、最近では言葉まで添付されるようになってきた。
作家が構想が降りてくると表現する現象である。
私も画家のハシクレであるから、ようやっとそういう体験をするようになったかと、最初は感動し、すぐさまそれを紙の上に再現できた。
しかしこの頃はなかなか絵にならない。
勢いに任せてドンドン描いていた頃と違って、今は体力がない。
快癒直前と言っても、それからが長い。
で、すっかり忘れてしまうこともある。
それではせっかく降臨してくれた絵の神さまに申し訳ないから、この頃は瞼に浮かんだものをメモしておくことにしている。
先日は言葉だけであった。
神様も最近は少々手抜きであらせられる。
それがなんと、「一生懸命生きたよ ありがとう 楽しかった」
なのだ。
これって辞世の言葉ではないのか?
うーん 私も近づいてきたのかナアとか案外深く、このメモはちゃんと置いて、 失くさないようにしなきゃ、と思ったり。
(玉麗)