カフェの外側、グリーンいっぱいのプランターにはツワブキが咲いていた。
鮮光黄ではないが、緑の中の黄色はよく映える。
今日のカフェモロゾフはいつもと様子が違っている。
ついさっき入ってくるなり上司か誰か知らないが、その人の悪口をしゃべり始めた人達、40前半の女性、20後半の男性。
こういう人達をうまく使うコツは何なのだろうか、と考えてしまう。
詳細に耳そば立ててはいないが、それはもう熱心に言い募っている。
2mぐらいは離れているオープンスペースなのに、2人の会話が波状に届く。
控えめだった音楽が、ほんの少しボリュームを上げた気がする。
ひょっとしてお店のスタッフが気を利かせたのか。
何か別のことを書くつもりだったのに、気分を削がれてまとまらなくなってしまった。
今日はシャンプーと赤ワインを買いにやってきた。
シャンプーを手に入れ、フロアを少し歩いていたらお腹が空いたので、ここへ来た。
すぐ帰るつもりでノートを入れて来なかったので、デパートの紙袋を切って書いている。
もう少し遅く来たら、もっと静かに居心地を楽しめたかもしれない。
くだんの2人は、ランチを口に運びながらも話が中断することはない。
新聞記事を思い出した。
「おとなは食事中なんで話をしてもいいの?」
この子供の問いに、あなたは何と答えますかとあった。
彼らはコロナ下にあって、黙食を強いられている。
もう、諦めた。
私の方が退散することにしよう。
(玉麗)