訳あって植木を部屋内へ入れていた。
2カ月くらい。
陽の光が大好きな木は1本ダメになり、2本あわやというところまで行ったが、何とか助かった。
観葉植物として作られたアラレア、わが家ではアラレちゃんと呼んでいる。
これは灯があれば大丈夫であった。
中に入れる時、あまりにも背が高いので1カ所切断した。
ゴメンと言いながら。
切った枝は花瓶に挿して洗面所へ。
息子夫婦が来た時、Aちゃんが気に入り持って帰って、鉢に植えた。
植木たちは外に出せる時が来て、ヤレヤレという顔をしている。
ある日アラレちゃんの切った部分に近いところから、小さな黄緑色の何かが出ているのに気がついた。
ようく見ると新芽であった。
アラレちゃんの赤ちゃんは新芽の手を広げ、伸びてきた。
次々と手は出現し、今や7本も出ている。
ここまで成長するのに1カ月ほどもかかっている。
わが家のアラレアはもう20年以上伸び続けてきた。
最初は細い茎にシュッとした細身の葉であった。
ところが成長するにつれて茎は太く逞しくなり、葉も大きくなった。
元の形状とはおよそ似ていない、堂々たる姿。
枯れかけた葉はすぐにポキっと折って取るものだから、アラレちゃんは慌てて次の新芽を出す。
それで葉全体はいつも青々と美しく、陽射しもしっかり防いでくれる。
もう1本欲しいとずっと探しているが、植物にも流行があるらしく店頭で見かけなくなった。
残念ながら、Aちゃんが持って帰った枝は枯れたらしい。
この新芽は大切に育てなければと思っている。
うっかりおでこをぶつけたりしないよう、近づきすぎ防止柵を設けている。
(玉麗)