2017年前期手本のラストは、12枚の中でももっとも難しいと思われる「ユリ」です。しかも墨!
墨のみだと色情報に頼れないので、顔彩で描くときより濃淡と強弱に気をつけねばなりません。
墨が描きにくいな、という場合は色付きにしてもOKです。
花をオレンジ系にすると、こんな雰囲気。グッとユリっぽさが出て華やかです。
うちわに・・・豪華になってぐっと値打ちが上がります。(※黒い斑点は、和紙の風合いを生かした素材によるためのものです)
こちらは可愛い寸松庵サイズ。色紙のちょうど4分の1の大きさです。
どの花にもいえることですが、その花の個性、特徴を押さえることが大事です。手本や実物そっくりに描くことだけが目標ではありません。少々花が小さくなっても大きくなっても大丈夫。細かいことよりも、作品をみて「ユリっぽい」と感じられることがもっとも重要なのです。
ヒント:ユリの特徴・・・花粉が服についたら取れないことで知られる雄しべの先。ここをしっかり濃く描くこと。あとは、ユリ全体のひらひらした花びらの感じ。
(雪)