M子さんが階段を踏み外して、膝をしたたか打ったらしい。
毎日貼り薬のお世話になっている、1週間前のことだけどまだ痛いと言っていた。
M君は犬の散歩中に何かにつまづき、顔からこけた。
当たったのは鉄板だったから、切れて腫れ上がった。
学生のころ拳闘部にいた彼は、鼻を折って中心が少し右寄りだが左寄りだかになっている。
その時以来の出血多量だった、と言っていた。
皆各々に足腰が弱ってきている。
今までなら柔軟に対処できたことが、カクカクなってヨロける。
私は1年ほど前だったか。ハデに転倒し1カ月ほど痛い目にあった。
胸が豊かな人なら衝撃を受け止められただろうが、何しろ板のような体、まともに骨まで響いて涙が出た。
バーンとまっすぐ前に倒れたのだ。
幸い顔はまぬがれた。
目も悪いのでよくいろんな所にぶつかる。
物干し竿、植木、柱、扉・・・・・・。
そのたびにそこに貼り紙をする。
「ぶつかる!!』
「頭打つ!!」
「おでこ危ない!!」
足の小指を引っ掛けたところにはウレタンを巻いて貼っている。
ちょっと目立つが、流石にその後は打たなくなった。
「急がないでゆっくりすればいいねん。電話鳴っても、ピンポン鳴っても、あわてて出ることない。待たせておけばいい」
娘が言う。
胸バーンの一件以来、バタバタしなくなった。
よほど懲りたとも言えるが、もうサッサカ動けなくなったと言った方が正しいかもしれない。
M子さん、Mくん、共に同輩である。
何事も慌てず注意深くいきましょか。
(玉麗)