身につけるものにこだわりを持っている。
最近はそれに加えて、「肩が凝る」「寒い」にも配慮しなければならなくなった。
先日、Kさんのおかげで半額で手に入れることができた、黒のパンツ。
ようく見ないとわからないが、裏側に別布を当て、模様が表にうっすらと浮かび上がる工夫がなされている生地を使っている。
裾を少し細くしたおしゃれな形でもある。
しかし1ツ難点があった。
裾をフワリとさせるため、裏地が脛の半分までしか付いてない。
これでは寒い。
薄手なので下の方が冷えるはずだ。
仕方ない、やるか。
黒の裏地を手に入れてきた。
ミシンを出す。
たまにしか使わないからモタつきながら、それでも何とか始動できるようにした。
次はサイズを測り、布を切る。
筒形に縫って本体に取り付けた。
丈より少し短く縫って出来上がりとなるが、パンツの裏側は少々ヒネったデザインなので、裾はまっすぐではない。
うーん、どうしたものかと考えて、より暖かく、そして原型も崩さない方法はこれだと思った。
ただし、手芸を正式に習っている人は絶対しない。
裾で表と裏を縫いつけたのだ。
もちろん手縫いで。
穿いてみると、裾が丸くなって、ウン いいじゃないのコレとニンマリ。
自己満足こそこだわりの原点である。
表のデザインを変えるのは、しょっ中やっている。
丈をバッサリ切るのもお手のもの、になった。
でも裏地をつけ足すのは初めてだ。
いつもなら、ホラこんな風にしたよ、とみんなに言っていい気になっている私も、今回はたぶん黙っているだろう。
パンツの裾をまくり上げて、「ホラ、これ」とはさすがに言いづらい。
(玉麗)