ヤッコマリカルドと聞いてすぐわかる人は、よほど服の好きな。それもちょっと年配の人であろう。
ヤッコ、マリ、リカルドの愛称の3人が設立したブランドで日本製。
おとなの女性向けとして50年以上の歴史があるらしい。
ずいぶん昔、家の近くにオープンしたブティックにそれが置いてあった。
上質の綿布にピンタックを施し、デザイナーの指示による絶妙な裁断でブラウスに仕立てている。
今はどうか知らないが、当時はほとんど白かクリーム色であまり目立つものではなかった。
しかしゆったりとしたデザイン、洗っても張りの落ちない上等の綿は、とても着心地が良く重宝していた。
ただ、ブラウスでこの値段?とちょっと引けるところもあった。
バーゲンの時を狙って行っていたように思う。
もう30年近く前のことだと思う。
それが昨年ひょっこり私の目に触れた。
実は2〜3点手に入れたものの、デザインがあまり気に入らず、誰かに「もらって」となっていた。
ところが1点だけ、気に入ってよく着ていたものが残っていたのだ。
洗いざらして糸がほつれ、ボタンが取れかかっていた。
襟首が擦り切れてもいる。
着てみると、ちょうど今頃、梅雨時にいい軽いはおりもの。
白い綿は黄ばむこともなく、美しいピンタックはそのままであった。
もう1度着よう。
こんなことは滅多にあることではない。
襟を内側に折り返し、まつり縫いした。
裾のほつれを直し、ボタンの糸を替えた。
ブラウスは蘇って、今私の体をエアコンの風から守ってくれている。
検索すると、梅田大丸、阪急本店、あべのハルカスに今も店があるとのこと。
バーゲンが始まったら行ってみようと思っている。
近所の店はとうの昔に閉店してしまった、残念なことに。
もう1つ逸話がある。
全体にピンタックを施したラベンダー色のブラウスを手に入れたことがある。
「その色、あと30年ぐらいしてから着たらいいよ」
と言った人がいた。
1回着ただけであげてしまった。
おいとけばよかったナア。
(玉麗)

