浄願寺に孔雀が一羽いた。まだ若い(雄)のか、冠羽・尾羽ともに乱れがなく、色はとても美しかった。
私と娘はすぐ近くまで行って、網の向こうの彼に話しかけた。
「きれいな色やねえ」
「ハネ広げてくれたらいいのになあ」
などと。
すると声を発した。
??? 私達は“エッ?”と顔を見合わせた。
娘は「こっち向いてくれる?」とさらに話しかける。私も「首すじと肩のあたりの色が特に輝いてるね」と。すると、さっきより明確に鳴いた。
『ワン!』
もう疑いようがない。犬のような声を出した。孔雀の声を初めて聞いた。
(玉麗)