朝陽の中

昨日完成した干支図に朝陽が射した。

地上に触れることなく歩を進める弁天様の羽衣は、無風の中でもフワリと浮かんでいる。
裳裾と髪飾りが揺れる。

外からの小鳥のさえずりが琵琶の音のように、私の耳に届いてきた。

太陽が昇るにつれて、木々の影の中にいた子牛が浮かび上がってきた。

赤い梅の花一枝を背に結わえてもらった時、大きな黒い目は女神と共に歩めることを誇らしく感じたことだろう。
子牛は喜びをしっぽに伝えて、歩くたびに大きく振っている。

初日の出を高い山の上で迎えたり、昇る太陽に手を合わせたり・・・日本人は朝陽を崇高なものと考えてきた。
確かに1日の始まりを告げる日の出は、再生の象徴にふさわしい。

しかし現代人にとっては、気ぜわしく動く1日を告げる陽の光が煩わしいとさえ思われるようになっている。

心に闇を持ってしまった人々はまばゆい光の洪水を恐れているのか。

私のように目に疾病を持つ者もまた、輝かしいオレンジ色の照射を浴びることをできる限り避けたいと願っている。

それでも、心奪われる一瞬は光の中に在る。

朝陽の当たる家に住んでいることを、幸運の第一としたい。

(玉麗)

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