このあまりにも気の毒な名前には「そこまで言わなくても・・・」と思わず言ってしまう。しかしそう呼ばれるにはそれなりの理由もある。クソッと罵りたくなるほどの繁殖力、においも強い。ドクダミとは又違った、ウニャとなるクサミ。
いにしえの宮中人が万葉集に書き残しているぐらいだから、昔からはびこっていたのだろう。でも写真に撮ると・・・何と風情のある佇まいであることよ。底紅の白い愛らしい花が咲き、秋には金色の実をつける。一輪挿しに入れると俄然、光を放つ雑草がある。
ヤイトグサとも呼ばれるヘクソカズラもそのひとつだ。誠に勝手ながら、線路の脇とか古池の畔にでも在れば、憎まれることもなかった。“わが庭”に侵入してきたから許せないとなってしまったのだ。よく考えれば、移動の介入者は人間なのだろうけれど。
(ヘクソカズラと共演しているムラサキの花は、ペチュニアです)
(玉麗)