水墨画の特徴のひとつに「運筆」があります。濃淡、かすれやにじみを表現するのに、ぐりぐり塗りつぶすのではなく、一筆で表現する技術がそれです。
それは非常に難しいので、すぐにマスターできるものではありません。何年もかかるし、ひたすら練習を重ねる訓練が必要です。
スポーツと同じだな、といつも思います。中でも道具を使うスポーツを想像してみるとよくわかります。テニスのラケット、野球のバット、サッカーのボール、そしてゴルフのクラブ。
個人差はあるでしょうが、何でも初めて手にした時はまるで手に負えず、訳が解らず、とにかく地道に練習をして少しずつ体をならして鍛え・・・そうやって上達していくしかありません。
上手な人(なるべくプロ)の所作(道具の扱い)を観察するのも大事です。たまに、たとえばゴルフのスウィングがすごく奇妙なのに、けっこう上手なおじさんがいます。でも、プロゴルファーで無理な姿勢で強引に球を打つ人はいません。
何でも一流になればなるほど、動きに無駄がなく美しく自然です。(演出のためにわざと派手なパフォーマンスをする人もいるかもしれませんが)
そして、くどいようですが、トップアスリートは必ず道具を大切に扱っているはずです。
(雪)