最高(最も背の高い)の花束を! 後編

息子の背丈ほどもある切り花。

上部にはよくぞ今日まで咲いてくれた状態の花が1ツ。
開きかけが1ツ。
蕾は5ツぐらいあった。

下部を切り、両側に張った葉を何本か取ってかすみ草と合わせ、レース模様のセロファン紙に包む。

玄関がカチャと鳴った。
「帰ってきた!ちょっと、あの辺に隠しといて!」

「ただいまーっ」
「おかえり、外寒かったァ」
「寒い、雨も降ってるし」
「そう、ご苦労さん」

では、と息子が音楽のかわりに下手な伴奏を口ずさむ。

ちょっとぉ、それ言うなら「ハッピーバースデートゥユー」じゃないの、とヨメさん。

ハハハ、マァいいや。

「はーい、本日のハイライト、花束でーす」
「うわっ これっ 皇帝ダリア?」

娘がびっくりしながら受け取った途端、うす紫の大きな花びらがヒラ、ヒラリ。

「あーあ、さっきそうっとくっつけといたのにナァ」と残念がる息子。

でも、蕾が明日咲くからね。
水を張って出しておいたガラス花瓶にすぐさま活ける娘。

さて本日のメニューは、大皿2枚に彩り豊かな野菜をいっぱい盛り付け、サラダで食べよう!

メインはすき焼きで、これまたてんこ盛りの野菜やきのこが付いている。お肉は1キロ用意したが、さすがに300グラムほど残り、「持って帰り」となった。

ヨメさんのアイデア、鯖寿司も美味しかった。

運転する息子はノンアルコール飲料、ヨメさんと娘と私はロゼワインで乾杯!
3人はほろ酔いで、皆饒舌で。
ジャンゴも登場してさらに盛り上がる。

1年で1番長いはずの夜が、まだまだいっぱい喋りたい時が、タッタカタッタカ過ぎていく。

明日仕事のある身の哀しさは、「では本日はこれまで」と宣言すること。

「またね。」

(玉麗)

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