ついに大阪の空でも龍が大暴れする夜が来た。
午後8時少し前、
バリバリバリドーーーン!!!
雷鳴が轟きドシャ降りの雨!!
風が吹き、樹木が大きくしなっている。
でもマア、こんなもん・・・・と思った途端、これでどうだとばかりにひときわ大きな音がした。
窓を開けて外を見ていた私は、ギャッ バシッ 思わず扉を閉め、危うく手を挟むところであった。
こんな日に限って娘は、友人と食事に出掛けている。
バリバリ・・・・・
あとは耳を塞いでいたから聞こえない。
終わったかと両手を外した途端、
ドーーン!!!
打ち上げ花火のような轟音が響き、厚いガラス戸がビリビリと、私の代わりに悲鳴を上げた。
カミナリの怖いヒトである。
いや、老いたから怖くなったと言った方がいいか。
年寄りになるともう何も怖いものは無い、などと言う人がいるが、ウソだ。
歳を取ると大きな音が苦手になる。
というより恐怖だ。
ビクッとする。
ある情景を思い出す。
それは、日照りが続き龍はまだかと待ちわびていた、やはり雨が降らないある夏の日のこと。
急に空が暗くなり、稲妻が走った。
同時に雷鳴、バケツをひっくり返したような雨・・・・。
私はその時、耳を塞いだり、怯えたりしなかった。
「風太、龍が来たよ!!円光寺の龍が雨を降らせてるよ!」
と大喜びで風太を抱き上げ、扉を全部開け放った。
ドシャ降りの雨の音、雷、風の吹き荒れる音、すべてが浮き浮きとはじけている。
そんな時代もあったのだ。
ほんの15分間くらいのことであった。
遠雷のように聞こえるのは、ジェット機の爆音にすぎない。
雨もピタッと降るのをやめた。
もう少し、あと1時間降ってくれないと・・・。
大気を冷やす役目を放棄して、冷やかし程度の通り雨が走り去った。
最近の無粋な名前が気に入らないのかもしれない。
(玉麗)

