夏草

夏草は、植えられた花たちが暑さで弱るのを尻目に勢いを増す。

繁殖の強靭さはとどまるところを知らぬ。

地下茎で増えるヤブカラシ、ドクダミ、ススキの類、風に乗って広がるヒメジョオン、セイタカアワダチソウ、オニタビラコ、オニノゲシ。

種が弾けて飛ぶカラスノエンドウ、カタバミなどなど。

彼らは子孫を残すDNAのみで生きている。

その強靭な意志は、哺乳類、鳥類、虫たちをはるかに越える生命力で地上に存在する。

人類がなぎ倒しても引っこ抜いても、その力は消滅することはない。

人間が無益な争いをして荒廃した地でさえも、最初に顔を出すのは草類の芽だ。

さりとて野放しにしておいては、すべての地面が占領される。

私たち人間は、特に夏草との地面争奪戦に疲弊しながらも、せめて目に余るものだけでもと汗を流すことになる。

私たちと書いたが、草取りをしようと思う人など皆無に近い。

友人の住んでいる公団では、3カ月に1度、住人総出で草取りをするらしい。

素晴らしい習慣である。

賃貸住宅でなくても年に1度、参加可能な者たちがそのようにしているところもある。

極めて稀ではあるが。

敷地が草ボウボウでも何ら気にならない人が99.9%。

その中には自分がしないことを誰かがすることに嫌悪する、困った輩もいる。

造園業者以外、植栽に立ち入るナと申し立てたりする。

これには99.9%の中の何割かは疑問を持っただろうが、集団では声高な者の意見がスンナリ認められる。

私は立ち入らぬよう、外側から届くところのヤブカラシを除去する。

ペンペン草の先だけを千切る。

そんなことぐらいで夏草の繁茂を防ぐことはできないと知りつつも、植えられた木々が苦しむ様子を見ていられない。

私がスーパーウーマンであったなら・・・と嘆きながら、草だらけの植栽を横目に見る歯痒さよ。

(玉麗)

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