先日、私の元勤め先だった会社の部長についてブログに書きました。
その会社にはユニークなおじさんがたくさんいて、今でも家で玉麗先生に昔の話をするたびに爆笑したり、感動が蘇ったりしています。
しばし、私の懐かしい思い出話につきあってください。
前置きですが、私が勤めていたのは建設会社で、基本的に男社会であり、今よりずっとコンプライアンス(〇〇ハラスメントとかが厳しいこと)がゆるい時代でした。
今ではどうかわかりませんが、入社したての研修時代に、建築・土木いろいろな現場を見学に行ったのですが、土木の方のトンネル・地下鉄の現場は、女性は入ることができませんでした。
古くからのしきたりで、女人禁制とされているからだそうです。
いわゆる男尊女卑ルールの筆頭とも言える建設業界ですが、会社の上司・先輩たちの多くが「女性は弱いものだから守るべき存在」という昭和的な考えを持っていました。
さて、S課長は私の上司ですが、優しいけれど小柄で頼りないとっちゃん坊や的な方でした。
私たち女子社員には絶対怒ったりしません。
先輩がパソコンで、手元を見ずにタタタタタタタタタタ!と高速のデータ打ち込みをするのをみて、
「は〜、Kさんはすごいねえ、目にも止まらぬ速さやね!うちの奥さんもね〜電卓で手元を見ずに、タタタタタタ!ってすごい速さなんやけど、数字見たらこれが全部間違ってるねん、うふふふふ!」
スヌーピー顔の憎めない、愛らしい課長です。
そんなある日、地震がありました。
巨大なものではなく震度3くらいだったと思います。
ですが、私たちのフロアは10階。ビルは大きく揺さぶられ、なかなか揺れが止まりません。
私の部署と、建築部、土木部、他2つの部署が入っていましたが、大きな横揺れは恐ろしく、皆ザワザワ、思わず机の下に隠れる人もいたり、ちょっとした混乱に陥りました。
そんな中。
スヌーピー課長がスクっと立ち上がり、
「皆さん、心配いりません!!ビルというものは地震のダメージを抑えるため構造上わざと揺れるように設計されているのです!安心して!しばらくすれば落ち着きます!」
フロア全体に響き渡る大きな声で叫びました。
か、かっこいい・・・・・
私たち女子社員は顔を見合わせ思わず笑顔に。
普段は可愛らしい感じのS課長ですが、まさに建築出身のエリート。
男性社員相手には厳しい言葉ではっきりものを言う姿も珍しくなく、現場で鍛えられた人間らしい自信に満ち溢れた姿に、女子社員からの株はますます上がりました。
ここぞ、という時にその人の本性が出ると言われます。
羊の皮をかぶったオオカミ・・・というのはよく聞きますが、
堂々と凛々しいS課長は、スヌーピーの着ぐるみを着た獅子のようでした。
(雪)
