自分のようなちっぽけな存在、一生かけてもほとんどが知らないことだらけの世の中です。
偉大な自然の脅威から、ホッチキスまで、些細な日常の一コマにも知らないことは潜んでいます。
私は、会社に勤めるまで、ホッチキスのこの部分の存在に気づいていませんでした。

この出っ張った部分が、針を取るためにあるということを知った時は、少なからず衝撃を受けました。
自分の無知さが恥ずかしい、と思うスキもないくらい感激したのです。
道具って素晴らしい。
さらに、そのホッチキスの針を取るためだけの道具というものが単体で存在し、新入社員のときに自分専用のそれが与えられた時の誇らしい気持ち・・・

今でも忘れられません。
この道具に出会えただけでも会社員になった価値があろう、というものです。
大量の資料を分解し、新たな資料として止め直す作業、そういった事務作業はつきものですが、そのときにどれだけ活躍したか。
ホッチキスにの背中にサブ的についている針外し部分では、効率が悪く、仕事のスピードも低下します。
この「ホッチキスの針外し」は、うちの部署には欠かせない道具なのでした。
プラスネジだけを外すためのプラスドライバーや、マイナスネジを外すためのマイナスドライバーと同じく、ホッチキスの針だけを外すために生まれたこの針外し。

ところで、彼にも正式名称はないのか?
いい職人なんだろ、いい加減、ちゃんと名前で呼んでやれよ!
と思いますよね。
調べました。
「ホッチキス針リムーバー」
もしくは
「除針器」
というそうです。


自分の仕事をきっちりこなすプライド高い道具たち。
それらの道具には時々、驚かされることがあるのです。
あえて言えば、この除針器(こちらの方が趣がありますね)で、ホッチキスの針を取る以外の作業ももちろんやってしまう私です。
不本意かもしれないけれど、便利だからです。
(雪)

