その日は、関東に住む友達Kと会っていました。
Kはいつも関西へ帰郷するとき私に声をかけてくれて、新大阪駅や大阪駅で、少しの時間過ごすのです。
「急やけど会えるかな?」というメッセージを受け取る時の嬉しさは、『中学校の時に、バスケ部の先生に呼び出されてレギュラーメンバーに選ばれた時の誇らしい気持ち』を私に思い出させてくれます。
「数いる友達の中から私を選んで誘ってくれた!」
決して私が、大阪市内在住で、最も呼び出しやすい人間であるからではないのです。
今回の待ち合わせは、新大阪駅の新幹線改札内にあるドトール。
18時すぎ、2時間制限のある入場券を購入し、店内で待つKと会うことができました。
楽しくおしゃべりをしながらチラと時計を見ると、もうすぐ20時。
何!もう2時間も経っている!
これは、時間の正体が、心理学でいうところの「注意力の従属変数」であるせいだそうです。
つまり、楽しい時間はあっという間に過ぎ、辛い時間はめちゃめちゃ遅く感じる・・・というアレです。
何なんそれ?とAIに尋ねてみました。
人間には
時計が刻む時間と、
脳が感じる時間、
この二重構造がある。楽しいときや夢中のときは、注意力が対象に吸い取られる。
すると脳は「時間を測る」作業をサボる。
結果、後から振り返ると短い。逆に、苦痛・退屈・不安のときは、
注意力が自分自身や不快感に張りつく。
脳は何度も「まだ終わらん?」と時計を見る。
だから一分が伸びる。– chatGPT
そんなわけで、さらに2時間後。
22時がストン!と私たちのテーブルに落ちてきて、Kが再び新幹線へ乗り込む時間となりました。
ああ・・・新幹線・・・
私とKの従属変数は、同じ速度でのぞみの発車時刻へピタリと照準を合わせ、彼女は「21番線!」と叫びながら、人の数もまばらな構内を走り出しました。
私も、2時間超過した入場券を持ったまま、彼女と一緒にホームへ向かって急ぎます。
のぞみ。
そこに彼女ののぞみは待っていました。
私の脳裏には1カ月前の、“私ののぞみ”が浮かびます。
私を福岡へ連れて行ってくれた、のぞみ1号。
彼女にはもちろん、のぞみ内での「Look!」事件を話しています。
今日は乗ることができないのぞみ、少し寂しさが生まれます。
バイバイ!と見送ったその車両は長く速く、スマートなビジュアルを見せつけて友達と去って行きました。
(雪)

