私が体調を崩している間に季節は数センチ歯車を回し、アメリカンハナミズキが見頃になっている。
息子の家の庭もすっかり華やかになって、女王牡丹が鮮やかな赤色の花を一斉に咲かせた。
モッコウバラもおずおずと、シバザクラは少し遅れて、それでももう愛らしく無数に咲き賑わう日を迎えているに違いない。
ドウダンツツジ、シャガ、ヤマブキ、アナベル、イベリス・・・・・
今年は敷地内のバイカウツギが少しばかり蕾をつけている。
今は控えめのモッコウバラがたわわに花開く頃、道行く人々はスマホのカメラを向けてカシャカシャさせるようになる。
その前でヒョロッと伸びた枝の先、揺れている蕾を確認した時の嬉しさ。
思わず言葉が飛び出してくる。
「がんばったねェ、エライ!」
私は近寄って根方を見る。
やはり、石蕗が傍若無人にまとわりついている。
「澁谷さん、この子達を退けてくれる?」
そう言われている気がする。
石蕗は別のところに植えたものだ。
しかしこの植物は種を飛ばし、その辺り一帯に繁殖してしまう。
植生を乱す困った子達なのだ。
根方にしっかりまとわりついた芋のような根を取り除き、その周りの雑草も抜き取った。
「ありがとう、きれいな花を咲かせるからネ」
そう答えてくれた気がした。
石蕗とて要らぬものではない。
晩秋の花の少ない頃に、灯りをともしたように咲く黄色い花は風情がある。
しかし、ここではイカンのだ。
分を弁えないと、こうして恨まれることになる。
モッコウバラは台風にもビクともしない大樹になり、毎春の花の見事さは、すっかりここのシンボルツリーになっている気がする。
ところがその根方にも、私が草抜きをやめた途端ススキの一種の草が、忍び寄るように地下茎を伸ばし始めた。
先日見に行って驚いた。
もう今そこにある脅威となっている。
住民が草抜きすることを禁じた理事長を恨みながら、もうこうなったら咎められても良い。
根方の周囲だけでも抜いておこう。
園芸業者が数日後に来る予定だが、たぶん手抜きではなく上部を刈り取るだけに終わる。
そしてさらに広がっていく。
(玉麗)

