もう何年か前、花屋の店頭で白い花がいっぱい咲いている木を見つけた。
近付くと、小さな黄色い花がかたまって咲いていて、花に見えたのは葉っぱだった。気に入って手に入れて2年ほど育てたが、大きくなりすぎて知り合いの花壇に移植した。
その花木は水が大好き。真夏になって水分不足になると、ヘナヘナになってしまう。
昨日、何日か通らなかった花壇に何気なく目をやると、白いものがサワサワと揺れた。黄色い花もたくさん咲いている。
昨年の暑さで弱っていたのでもう枯れたかと諦めていた木が、緑の中で見事に精彩を放っていた。
ハンカチの木、生きていたんだ!!
すぐ誰かに言いたいと思った時、知人を見つけた。「咲いてますネ」「咲きましたね、白い葉っぱの」
口許がほころんだ。
(玉麗)