八月尽

人類が経験した最も暑い夏は、たぶん今年の今ここに在る燃え盛る日々のことだろう。

八月尽はそれが終わりを告げる日であったのに、大気は鎮まることを知らぬ。

雨よ、風よ、嵐よ、龍よ、アマテラスよ。

いや最近は、流行りの最強天帝か。

念じたところでどうなる訳でもないが。

陽が昇る前と陽が落ちてからの数刻しか行動できない時代が、すぐそこに迫っている予感。

暑さが一瞬引いてゾゾッとする。

この殺人的暑さの今日、防災の日を前に説明会と委員会が催される。

エアコンガンガンではあろうけれど、行きたいはずはない。

しかし、この干物のような私でも防災委員に名を連ねている。

恐ろしいことだ。

ないとは思うが、防災訓練でもあろうものならブッ倒れて、リアルの第1号になりかねない。

そんな決死隊みたいなこと断ればよいのにと普通思うが、諸事情がある。

とりあえず顔を出し、その場で考えることにした。

寒い。

足もとにケットを持ってきてよかったが、首すじが冷えて肩が凝ってきた。

それでも役所から派遣された防災説明係の話は、わかりやすくノウハウがしっかり伝わってきた。

災害時は避難所へ行かないでくださいと、今まで聞いたことのないフレーズが耳に残った。

このマンションは頑丈だから避難しなくて良いと聞いたことはあるが、その訳をいろいろ説明されてナルホドと納得した。

しかしもう限界、60分のところあと10分残して会場を出た。

30分休憩。

水分を摂り、甘いもの・しょっぱいものを口に入れ、チェアに横になること15分。

再度会場へ。

委員会の方に顔を出した。

世間一般の付き合い・義理人情は最小限に抑えている。

全て断ち切ることはまだ出来ないからだ。

防災マニュアルを知ることも、まだ必要なことではある。

今日の疲れは想定内のこと。

それよりも出席したおかげで知り得たこともあった。

今までにない八月尽であった。

(玉麗)

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