突風とタケノコ 〜突風編〜

先日突風が吹き荒れた。

電車は止まり、カヌー大会参加のカヌーが次々に転覆して大騒ぎになったとか。

12時少し前にこの辺りを通過したのだが、一時的な強風つまり突風とは思えぬほどの荒れようであった。

 

ちょうど私は藤井寺特別教室へ行こうと家を出たところ。

角を曲がればいつもビル風が吹く。

さらに曲がれば広い通路を風が吹き抜けている。

最初のところで足がすくんで動けなかった。

前にある木の枝が、強風にあおられてバシバシビュンビュン音を立てている。

これは嵐じゃないか!

 

しかしさっきまでのドシャ降りはピタッと止んでいる。

意を決して曲がると体が前に進まない。

次の角、今度は吹き飛ばされそうになる。

何しろ病み上がりの身、体重も体力もガタ落ちである。

ふと前を見ると私より高齢の小柄な婦人が、トットッと数歩後退した。

 

アカン、引き返そうと後ろ向きになった体を風が突き飛ばす。

元の位置まで帰った時、フッと風が弱まった。

今だ!

私はクルッと踵を返し、駅方面へ足早に進んだ。

 

娘は朝早く車で出発したが、私は1日中はとても無理なので、あとから電車で行くことになった。

天王寺までJR、そこから近鉄南大阪線に乗り替える。

電車で行くのは何年ぶりだろう。

先ほどまでの強風はどこかへ行ってしまって、空には雲の合間から陽の光が射している。

「今電車の中、雨も風も止んだので歩いて行きます」

と娘にメールして10分余りの乗車時間、商店街を抜けた途端に車のプップッ音。

エ?ようわかったナァ、娘の勘の良さに感心しながら車中の人となった。

5分余りあと教室へ入ると、もうかなり出来上がった状態のお軸を前に、4人の笑顔が待っていた。

「先生大丈夫ですか?」

皆さん口々に心配してくれる。

 

藤井寺教室はベテラン揃い。

仕事も早い。

そこからはアレヨアレヨという間に全員描き上がって、午後2時には無事終了。

皆さん、いい絵が出来上がって良かったですね。

 

帰路、助手を務めてくれたN君を駅まで送り、あともう少しというところでモーレツにおなかが空いてコンビニへ。

グルテンフリーなんて押し通すつもりはサラサラなく、レタスの入ったサンドウィッチをモリモリかぶりつく。

(玉麗)

 

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