白い髪の女達

つい最近まで、街には白い髪の女性を見かけることがなかった。

それが先日梅田へ行った折、あっちでもこっちでも白髪の人とスレちがった。

バスの中でも、すぐ前に真っ白の豊な髪をしている人が座っていた。

デパートで会った何人かも各々に髪を美しく整え、相応の身なりで背筋を伸ばして歩いていた。

残念ながら皆うしろ姿ばかりで、前に回って「お顔拝見」とも言えず、御尊顔を拝する

ことはなかったが、たぶん、若い頃は振り返って見送られたことも1度や2度は・・・と想像する。

 

年を経た婦人達が、髪を染めることから決別した。

そんな人達が急激に増えているのだ。

理由は各々あるだろう。

しかしそんな人達が急激に増えていることは、何を意味するのか。

 

1日で白髪にはなってくれない。

染めるのを止めると1年ぐらいかけて少しずつ白さを増すが、「途中はみっともないですョ」とある生徒さんが言っていた。

 

いつ染めるのを止めるか、これが女性にとっては大きな問題になる。

とにかく染めないと一気にバアサンになってしまう。

ミバがバアサンになると服装もかまわなくなり、ますますバアサン度は深まってくるという。

 

しかし、その幾多の難を乗り越えた人が今、街に目立つようになった。

昔のバアサン達とは明らかに違う。

彼女達は白髪の淑女の地位を築こうとしている勢いだ。

私にもやがてその日が来る。

(玉麗)

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