プリムラジュリアンの鮮光黄がひときわ美しい。
やはり早春は黄色で始まる。
黄水仙・早咲きの菜の花など、遠くからでもそこに花が在ることを知らせてくれる。
黄色は人の目に最も鮮烈に訴えかける色だ。
寒い縮こまった冬がようやくほどける3月、この季節にベランダを黄一色で飾りたいと思うようになったのは、3年前のことだ。
既にコロナ下であったことを記憶している。
希望は、金魚草をズラッと植えること。
さらに2年遡り、その年の2月終わり頃、黄色い金魚草を何気なく植えたら、それはそれは鮮やかに、大きく繁殖して初夏まで咲いてくれた。
それ以来、毎年花屋に注文しているのに、無いのだ。
クリーム色のしか入荷しない。
花屋の店主に「これじゃない」と何度も伝えたが、手に入れることは出来ずに今に至る。
プリムラジュリアンも、花屋へ行った時は既に2箱とも売約済み、と書かれていた。
春の色は黄色なのだ!
店主にはクドイほど言っておいた。
「2月末に花を売ろうと思ったら、店頭に黄色い花を並べることデス」
もうすぐ切り花のミモザが出回る。
エニシダも鉢植えで置かれるだろう。
でも、花の色は微妙に違う。
何にでもこだわりを持つ私には、ジュリアンの黄でないとダメなのだ。
と言ったって、無いものはどうしようもないから、パンジーを買った。
好きな花が手に入らないのは、がっかりと哀しい。
黄色、黄色と騒いでいても、3月が過ぎ4月になると、ピンクがわさわさ顔を出す。
川の畔はピンク一色で埋まってしまう。
そうなればなったで、はんなりした色合いを楽しむようになるのだろう。
人の心は、斯くも移ろいやすい?
(玉麗)