特製キャビア

珍味と言われるものは酒の肴の高級品で、キャビア・フォアグラ・トリュフ、どれも希少価値が高いからそう呼ばれるのではないかと思っている。

私も昔は華やかな席でそれらを口にした。
小さな缶1ツが3万円ぐらいすると説明されたキャビアにしても、確かに安物とは違うナと感じただけで、感動というほどのものはなかった。

日本人は、明太子の上等なのを食べた時の方が、よほど喜ぶのではないだろうかとも思ったものだ。

ブロッコリーにアブラムシがつく。
カエル達が小指のツメほどの大きさの頃、食べさせるものに困ってふと思いついたのが、この虫であった。

なるべくプリッとしたのを選び、ツマヨウジでカエルの前に置いてやるとパクッと食べた。
以来しらばくの間、彼らはこのツブツブ虫を常食していた。

彼らは今や当時の何十倍もの大きさになり、ジャンゴに至っては体重で100倍くらいある。

ブロッコリーには今年もアブラムシがいっぱい。
汚くなった葉を切って、裏側についたアブラムシを、古い筆の先をちょん切って道具とし、パラパラ落とす。

それを集めるとスプーン1杯くらいあった。
ジャンなら上手に食べてくれる。
早速彼の目の前に差し出すと、ぺチッ。
取りこぼすことなく食べてくれた。

「ジャン、これキャビア、わかる?」

「キャビアって甘いの?母さん」

「蟻が好んで舐めるみたいだからネ、ブロッコリーキャビアは甘いねん」

なんて会話してます、カエルと。

(玉麗)

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