花火の余韻かなと毎年思うこの暑さ。
大阪は天神祭の次の日が一番暑い?
この日は夜が明けるとすぐ太陽が燃え上がる。
外気温はグングン上昇し、もう眩しくてサングラスなしでは外へ出られない。
昨夕ちょっと向こうのスーパーへ買い物に出た。
ア、天神祭だったワとすぐ気がついたがそんなものなのだ。
有名なお祭りも近くにいたら、ことさら気にしなくなる。
この辺に引越ししてきた頃はそぞろ歩きもしたが、今や若い人たちがワンサカ集まって来る夜店は、混む、暑い、マズイと、バアサンになった私には嬉しいことがない。
そんなことを想いながらキャリーを引っ張っての帰路、素敵な2人連れとスレちがった。
絵から抜け出たというのはこのことか、女の子が浴衣ならもっと良かったのかもしれないが、綺麗な子なので、ワンピース姿でもマルであった。
一方彼の方は、和服を身につける心得があるのかもしれない。
浴衣姿がサマになっていた。
この日あちこちで浴衣を着た人を見た。
60代だろうか、黒地に白で、枝垂れ柳のような花火を散らした着物の、ちょっと粋筋の人とスレ違った。
思わず振り返って見てしまうほど、日本の文化を身につけていた。
日本人はもはやキモノを着なくなった。
どう考えたってTシャツとジーンズの方が動きやすい。
けれども折々にはキモノ姿が復活する。
七五三、お正月、成人式、そして夏祭り。
結婚式や葬祭の折も身につける人もいる。
と言いながら私は最近、和服を全部処分した。
それらが入っていた桐のタンスは今や和紙の保存に使用されている。
日々の生活はもう決して昔に戻ることはない。
便利なように、快適な方へ進んでいく。
そして私たちは1年のうち何度か、郷愁を持ってキモノ姿を眺めるようになった。
(玉麗)