街を歩いている女性のスカート丈が長くなってきた。床につきそうなくらいのロングスカートの裾を翻している人の足もとを見ると、スニーカーの人もいる。
私達がロングスカートを身につけて颯爽?と歩いていたのは、もう30年も前のことだ。
流行っていたといっても女性全員がそうしていた訳ではなく、パンツ姿もいたし普通丈のスカートもあった。現在も同じことだ。しかし前述のスニーカーはいなかった。(当時はズック靴と読んでいた。)
パーティドレスのような丈長のスカートにはハイヒール、ヒール丈が5センチ以上なければエレガントとは言えない時代であった。
今はツッカケのようなサンダルを履いても一向にかまわない。ジバンシイやランバンなどの元祖が見たら目をむくことだろう。
クローゼットの中を捜すと、あった!取り出してみると、最近娘が身につけているロングスカートと全く同じではないか。素材は全然違うけれど。
この頃の生地はとても上等であった。特にこれはサマーウールといって、極薄なのにシワにならない、無理して手に入れたスーツのスカートなのだ。
私はスカートをはかない。いつからか、きっと私達のロングスカート時代が終焉を迎えた頃からだと思う。なぜそうなったかと言えば、15キロ(10年かけて徐々に)も痩せて足もとがいつも寒いヒトになってしまったからだ。
私は更年期が長くキツく、しょっちゅう目まいを起こして嘔吐した。そのせいでスレンダーにはなったが、体力も細ってしまった。
ロングスカートとハイヒールの時代、遠い昔のことである。
(玉麗)