シュラホールにて

熟田津(にぎたず)に
船乗りせむと月待てば
潮も適(かな)ひぬ
今は漕ぎ出でな

―額田女王の歌(万葉集)

藤井寺のシュラホール教室、
この日はいつもの教室が予約できず、
別の教室で行なうことになった。

船の舳先(へさき)のようなその部屋は、
3階にあった。

窓が開かないのが残念であったが、
その窓は下に広がる池にせり出るように
配置されていた。
応神天皇、大津皇子などの墳墓が見渡せる。

池の水は濁っていたが、ようく見ると
カメやコイが泳いでいた。
古代の貴人たちはこのように、広々とした景観を
楽しんだのかとふと思ってしまう。

帰宅後、ブログを書こうとペンを執った時、
前述の歌が出てきた。
と言っても、下の句しか浮かばない。

たしか万葉集だったと本を探した。
何天皇の時代であったかと
パラパラとめくると、あった。

斉明天皇の御代のこの歌を題材にした絵を
見たことがある。
私の思考回路はこのように、
ビジュアル化されていることが多い。

藤井寺、羽曳野あたりに出かけると、
あちこちに古代と繋がる場所がある。
シュラを形取ったこの建物も、いにしえと
私達を誘ってくれる仕掛けがあるのだろう。

(玉麗)

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