“手芸” と言っても幅は広い。
Nさんはもっぱら手提げバッグを得意とする。
彼女のネコ柄バッグを買った翌日会ったので、頼み事をした。
気に入って手に入れたが、(手提げバッグにA面・B面があるとしたら)裏側に当たるB面が麻だったため、コートと擦れてダマダマだらけ、悲惨な状態になったものを、修理して欲しいと。
自分が作ったものでも直すのはイヤと言っているヒトに、「ゴメン、やって」と強引に頼み込んだのだ。
翌日夕方、電話があった。「今からちょっといい?」
ナント、きのうのヨレヨレバッグがピシッと敬礼して帰ってきた。
こんなに早く、こんなに完璧に。
あまりの早業に思わず、うわあっとバッグを抱きしめた。
Nさんはパン作りも上手い。
フルーツケーキに至っては、たぶん帝国ホテルのよりもおいしいと、私も娘も感激している。
今回の件で、手芸の腕も相当のものであると判明した。
このような貴重な隣人にむやみやたらと頼みごとを押しつけてはいけない。
深く反省しつつバッグを眺めてニンマリ。
ホホッ いつ使おかな。
(玉麗)