(*今日の動画はブログの最後にあります)
色の好みは歳を経るたびに変化する。これは私に限ってのことなのか。それとも皆時々に変わってゆくものなのか。
好みの色が即似合う色かというとそうでもない。これもまた皆各々に違うのかもしれない。
洋アジサイのアナベルを初めて見た時、オフホワイトから少しずつ緑がかっていく様に心奪われた。
一口に白と言っても多種多様で、どちらかといえば白にほんの少し何かを混ぜたような白をよしとしていたその頃。輝くばかりの真っ白はもはや手が出ない年代になっていた。
黒にだっていろいろな種類がある。そして青にも。
ルリマツリの青の季節、「魅惑」の言葉通り、まさに魅入られ、惑わされていると言って良いほど、この花を形容する言葉を探している。
「青」ではなくやはり「瑠璃色」と呼びたい。
ただしそう呼べるのは「この色」でなければならないという基準がある。
細長い蕾はすでに瑠璃色であるが、咲き始めると淡い水色。それが日を追うごとに深みを増してくる。
絵の具の青を重ねると透明感は薄れてくる。
しかし、ルリマツリは色を重ねて、より深みを増してくる。
そして、風のいたずらで1ツ2ツと連なって落ちた時、もっとも美しいルリ色に染まっている。
黒い土の上に青い炎が点されたような、渾身の力でルリマツリの名を演じている姿に感服する。
初夏から初秋にかけて、私は瑠璃色に染められて、1日に幾度となくベランダに出る。
花の精に惑わされるとは、こういうことなのか。
(玉麗)
「水墨画3分ムービー:100回シリーズ」
第3回はユリです。(2分12秒 音有り)
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