鉄パイプで骨組みを作り、寒冷紗(かんれいしゃ)をかけた飼育場所には、数種のエノキが植えられたり、鉢に入れられたりして揃っている。
そのどの葉にもオオムラサキが止まっている。
幼虫のエサはエノキだが、成虫(蝶)は樹液を吸って生きている。
樹液の出る木など早々あるものではないので、ここではカルピスを薄めて皿に入れ、その上に網をかけて止まりやすいように工夫されている。
それが2カ所くらいに置かれていて、チョウたちはお腹が空くと網に止まって中の飲み物を吸っている。
カルピスはボトルに入れてその辺に転がせて、さらに発酵させたものが好物なのだそうな。
バナナも熟れすぎたのをつぶして混ぜるらしい。
1ツの給餌台に常時10頭以上のチョウが、群がっている。
サカナ君にちょっとだけ似た小学生(3年生だと言っていた)がお母さんと一緒に来ていた。
チョウが大好きと言うだけあって、博識なのに驚かされた。
この子の背中にメスが卵を産みつけたのだった。
いろいろ知識をひけらかす子は生意気で苦手なのだが、この子は私になんとなく懐いてきて可愛かった。
くっついてきてアレコレ喋るので、相手しながら蝶太郎さんとも話する。
昔は3人ぐらい会員を相手にして平気であったが、今はとても無理で、だんだん疲れてきた。
もう限界かなと判断して、おいとますることに。
蝶太郎さんの師匠の秋山さんからもらったニン君の絵を、コピーして持参したら、とても喜んでくれた。
たぶんニン君から数えて今の子たちは、44代目になりますとのことであった。
帰りに外に咲いていたトラノオの巨大版の名前を尋ねたら、「ブッドレアです」と言って飼育室に入り、鉢植えを「コレ持って帰って下さい」と。
1本蕾が付いていた。
次の日、久しぶりに土いじりし、ブッドレアを大きい鉢に植え替えた。
オオムラサキと同じような色の巨大トラノオ!
咲くのが楽しみである。
(玉麗)