郷里からの電話

郷里のクラスメートから電話があった。

友人2人が何かの展覧会へ出品したので、クラスメート5人で見に行ったのだと言う。

絵の画像を送ってくれた。
2点共油彩画でなかなかうまい。
趣味の会へ長い間通って仕上げた力作なのだろう。

電話をくれたSくんとはグループでの友達であったが、当時はあまり話をしていない。
彼に言わせると私は近寄りがたい存在であったらしいが、そんなことはなかったと思う。

当時の田舎の高校生はあまりスレていなくて、特に男子はロベタが多かった。
それでも私達7~8人のグループは、表面上は男女を意識していなくて、皆仲間付き合いであった。

休み時間には円陣を組んで、たわいのないおしゃべりを楽しんでいた。
それを見て他の生徒達は、ヤツラはトンでると思いながらも、少しばかり羨ましかったのではないだろうか。
男子と女子が2人きりで歩いているのなんて、マア見なかった時代のことだ。

ジイさんとバアさんになって、どちらもよくしゃべるようになった。
このところコロナで途絶えているが、同窓会では学生時代ちっともしゃべらなかった人が饒舌になっていて、びっくりした。
うれしいような、慣れ慣れしさに閉口するような・・・。
バアさんになっても、“そこまで!!そこから近づくな” と言っている自分におかしくもある。

別の友人の話によると、Sくんは要請すればすぐ来てくれる、何でも手伝ってくれる気の利く人らしい。
確かに気配りが出来てユーモアもある。

人の価値は、ジイさんバアさんの域に入ってからやっとわかる、ということが、やっとわかった。
年を取ることはなかなか味わい深い。

(玉麗)

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