贈り物は何人もの人の手を経て、私の許へやってくる。
まずは、送りたいと想ってくれる人。
その注文を受けとって配達の準備をしてくれる人。
もちろん、その品を作ってくれた人のことも忘れてはならない。
そして最後に、私の家まで届けてくれる配達人。
柿が届いた時のこと。
インターホンで、「これから配達しますが、2軒目になりますのでしばらくお待ち下さい」
と言った、ゆうパックの配達人。
「あ、この前の人に違いない」と思った。
そのお兄さんは、段ボールの箱を肩に担いで、家の中まで運び入れてくれた。
何しろ、大きな柿が10キロ以上入っていたはこだ。
とても私の力では受け取れない。
この前は確か「5軒目になりますので、しばらくお待ち下さい」
と言っていた。
この、何軒目になります、と告げてくれることが、受け取る側にとってどれだけ余裕を持たせてくれることか。
このお兄さんは、心配りの出来る頭の良い人だと感心した。
玄関を出た所で、
「何軒目、って言ってくれるの助かります」
と告げると、ちょっとはにかんだ様に笑って、足早にエレベータの方へ向かった。
慌ただしい年末のひととき、心配りは人の心にポッと灯りを点してくれる。
(玉麗)